2chまとめ風広告で荒稼ぎをした広告代理店たちのその後

皆さんは2chまとめ風広告というのをご存知ですか?

2chまとめ風広告というのは2chまとめ記事を装った広告のことで、ひと昔前だと「寝ながら月収300万突破したったwwwwww」というようなタイトルのバイナリーオプションのまとめ風広告が話題になっていました。

一時期、多くの2chまとめサイトが自サイトの目立つ位置にこのバイナリーオプションの2chまとめ風広告を貼っていましたが、それはこの広告の報酬単価がアフィリエイト形式で1件25,000円〜と極めて高いからです。大手2chまとめ管理人の中にはこのバイナリーオプションの2chまとめ風広告で月収1,000万円以上を荒稼ぎした人もいるそうです。

この2chまとめ風広告ですが、意外と歴史があり、かつて2ch管理人のひろゆき氏がこうした2chまとめを装った広告を貼っていた2chまとめサイトに対し稼いだ報酬を開示するよう求めたこともありました。

有名な例ですと暇人速報が同様の出会い系の2chまとめ風広告を貼っており、357,000円の報酬(1件あたり1,500円)を得ていたと報告しています。詳しくは暇人速報のこちらの記事を参照ください。

当時のことを知る広告代理店に話を聞いたところ、この2chまとめ風広告の出会い系案件は恐ろしいほど成果が出たそうで、実際には少なくともこの10倍は稼いでいるだろうと言っていました。

そこで今回はそうした2chまとめ風広告で荒稼ぎをしたと言われる会社たちのその後を調べてみました。2ch系から撤退していたり、今もアフィリエイトの業者をやっていたりと現在はそれぞれ異なったことをしていて面白かったです。(こちらのデータを元に作成しています)

①アイリーコミュニケーションズ株式会社
主な出稿先:ゆるりとひじきそくほう、マジキチ速報
現在の主事業:ポイントサイト運営

②株式会社ステイフリー
主な出稿先:暇人\(^o^)/速報、キニ速、ラジック、いたしん、ゆるりとひじきそくほう
現在の主事業:広告代理業

③株式会社エール
主な出稿先:キニ速、暇つぶしニュース、にゅうにゅうす、VIPPER速報、いたしん、ねたAtoZ、妹はVIPPER、オタク.com
現在の主事業:広告代理業

④株式会社ファイブエニー
主な出稿先:VIPPER速報、にゅうにゅうす
現在の主事業:広告代理業

⑤株式会社アセンショナル
主な出稿先:ニコニコVIP2ch
現在の主事業:転職メディア運営

⑥株式会社メディアクルー
主な出稿先:ラビット速報
現在の主事業:モバイルコンテンツ事業

どこも名だたる大手まとめサイトですね。当時は2chまとめ全盛期でもあったので、一体彼らが当時どのくらい稼いだのかは想像も付きません。一番稼いだ管理人はこの2chまとめ風広告で億単位のお金を得たのではないでしょうか。

どの会社も当時とほとんど変わらず広告代理業をメインとしてやっているようですが、(株)アセンショナルは広告代理業メインから脱却して自社メディア運営( 看護師転職DX )を主事業としているようです。また、自社でポイントサイト運営をしているアイリーコミュニケーションズ(株)も2chまとめ風広告などで得たノウハウを上手く活かしていると言えるのではないでしょうか。

私が2chまとめサイトを運営していた1〜2年前も毎日のように広告代理店からバイナリーオプションやオンラインカジノの2chまとめ風広告の依頼が来ていました。出会い系からバイナリーオプション、そしてオンラインカジノと2chまとめサイトを装った悪質な広告は日々形を変えて進化を遂げています。今後はスマホアプリが彼らの主戦場になっていくことでしょう。皆さんもこうした悪質な広告にはくれぐれもお気をつけください。

ネトウヨ系2chまとめサイト急増した二つの大きな理由

お久しぶりです。

思うところあって久々に筆を取りたくなりました。

今回のテーマは「なぜネトウヨ系2chまとめサイトが急増したのか」です。

最近はヘイトスピーチの問題もあって更新を停止をしたり特定騒動を恐れて閉鎖した2chまとめサイトも多いようですが、一昨年〜昨年はとにかくこうしたネトウヨ系2chまとめブログが隆盛した年でした。その背景を元2chまとめサイト管理人の私が解説していきます。

まず、その背景には大きく二つあります。一つはなんといっても「アクセスが稼ぎやすいこと」です。そしてもう一つは「SNSとの相性が良いこと」です。後者はネトウヨ系2chまとめブログと同じような隆盛・衰退の仕方をしたバイラルメディアと同じような特徴を持っているのですが、細かく分析をしていくとその背景は少し異なります。それではこれらの要因を詳しく見ていきます。

ネトウヨ系2chまとめブログはアクセスが稼ぎやすい?

一昨年の年末だったと思います。当時中堅2chまとめブログを運営していた管理人が忘年会でこう言いました。「来年はネトウヨ系まとめブログに参入しようと思う」と。中堅〜大手2chまとめブログ管理人は基本的に複数のまとめブログを運営しています。一つサイトが当たればその収益を使ってアルバイトのライターを雇い事業基盤を拡大させていきます。今ではランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシング系のサービスがあり、1記事50円〜100円くらいの低単価で記事を作成することが出来ますが、当時の管理人たちは元まとめサイト運営者でサイトが伸びずに閉鎖してしまった管理人などを上手く使って記事を作らせていました。

当時、「保守速報」や「NEWS U.S」などのネトウヨ系2chまとめサイトがデイリー数百万PV規模まで急速に伸びており、勘の良い管理人たちがこの「ネトウヨ」というお宝ジャンルに目を付けつつありました。そうした背景があったので私もすぐさまその意図を理解しました。

ご存知のとおり、前政権である民主党の親韓・親中路線によってネトウヨが急増し、フジテレビをはじめとしたTV局各社による韓国贔屓の姿勢もネトウヨを生む温床となっていました。また、尖閣ビデオ流出問題も爆発的にネトウヨを増やす大きなきっかけになったと言えます。

そうした時代背景の元、2chまとめブログで韓国・中国系の記事を扱うと簡単にアクセスを稼ぐことが出来ました。そこで続々とこの韓国・中国ネタというお宝ジャンルの恩恵に預かろうとネトウヨ系2chまとめブログは増えていったのです。

Facebook×情弱中高年×ネットde真実=アクセス稼ぎの源泉?

また、今回私がこの記事を書こうと思ったきっかけの出来事なのですが、最近Facebookなんかでやたらとこうしたネトウヨ系ネタをシェアしている中高年の情弱おじさんが増えた気がします。中には「それソース確認したのかよ」というまるでデタラメなネタを持ち出して「これだから朝鮮人は〜」などと書いている人も多くいて、日本のネットリテラシーの低さを痛感します。

賢い2chまとめブログ管理人はそうした情報弱者の扱いが本当に上手です。TwitterやFacebookなどで上手く拡散するように彼らの愛国心を煽り、中国・韓国憎しの感情になるよう記事を作成します。それに釣られた情弱の中高年がSNSでシェアすることによりアクセスを上手く稼ぎ出します。彼らはそうした記事を見て自らよりも下の存在を作りだし、それらを憎悪の対象とすることでなんとか自尊心を保っているのでしょう。ある意味で可哀想な話です。

こうした背景もあり、ネトウヨ系2chまとめブログは急増したのです。しかし、ヘイトスピーチ規制関連法案や大規模な管理人特定騒動、ネトウヨ系2chまとめブログの象徴である保守速報が訴えられたりなど、運営リスクが増大するにつれ、これらのサイトは減少傾向にあるのです。

最近はネトウヨ系2chまとめブログの代わりにネトウヨ系動画をアップロードして収益を得るネトウヨ系youtuberなるものが出ているようですが、広告が剥がされて動画のアップロードを止めると宣言した人がいたそうで笑いました。ネトウヨは金になる、この方程式が崩壊する日も近いのではないでしょうか。

何故2chまとめサイトは「ちょいエロ」に走るのか

2chまとめサイトを見ていると男性なら思わずクリックしてしまうようなエロ系タイトルの記事を目にすることも多いと思います。そうした「ちょいエロ」記事は2chまとめサイト運営者にとっては麻薬のようなものなんです。それでは以下でその理由を説明していきます。

その①:2chまとめサイトの現実

今や2chまとめサイトはその作成の手軽さから膨大な数が存在します。それ故、古参でもない限り、ニッチなジャンルに特化したり差別化をしていかないと全くといっていいほどアクセスが伸ばせません。2chにある「零細2chコピペブログ管理人スレ」ではこんなテンプレも存在します。

■一日の平均PV
・100万~…最大手
・50万~…大手
・30万~50万…準大手
・10万~30万…中堅
・5万~10万…中小
-- このスレのボーダーライン --
・1万~5万…弱小
・5000~1万…準零細
・1000~5000…零細

ほとんどの管理人はこの下層帯、デイリーPV1万を超えることすら出来ずに苦しんでいます。結果として「全然アクセス増えねーじゃん」とサイト運営を辞めてしまう人が多いのも事実です。「このスレのボーダーライン」とあるように、零細管理人スレですらデイリーPV5万を超えられない人は相手にされません。 なかなかアクセスアップが出来ない管理人はサイトを差別化していくか、更新量を増やすか、など色々試行錯誤する訳ですが、そんな中手っ取り早いアクセスアップの手段として挙げられるのが「ちょいエロ」な記事です。

その②:ちょいエロは手っ取り早いアクセスアップ方法

さて、具体例を挙げていきます。皆さんはパッと見たときにどちらのクリック率が高いと思いますか?

・JPX日経400銘柄替えでソニー除外、パナソニックなど新規採用
・これよりエッチなケツ画像なんて存在すんの?wwwwwwww

どちらも実際に2chまとめサイトが取り上げていたネタですが、おそらく後者の方が圧倒的にクリック率が高いでしょう。こういったエロ系画像まとめ記事や下世話な芸能ニュースまとめ記事などは非常にクリック率が高いです。

こういった記事をアンテナサイトと呼ばれる記事紹介サイトを経由して他の2chまとめサイトのRSSフィードに載ることで一気にアクセスがアップします。アンテナサイトもクリック率が高い記事を扱うことで自サイトへのアクセスがアップするので、こういった引きが強いちょいエロ記事を優先的に紹介してくれます。

このちょいエロ+アンテナサイトを使ったアクセストレード(通称アクトレ)が手っ取り早いアクセスアップのコツなのです。上の画像はちょいエロ系に走った某2chまとめサイトのものですが、こうやってアンテナサイトを経由してクリック率が高そうな記事を相互RSSに載せ、お互いにアクセスを送り合うのがアクトレです。まとめサイトの多くはこうやってアクセスを増やしているのです。 ただ、このちょいエロ記事、アクセスアップには一役買ってくれますがデメリットも…。

その③:ちょいエロ記事に潜む爆弾

ここまで読むと「なんだ、手軽にアクセスアップ出来るならちょいエロいいじゃん」と思われる方がいるかもしれません。しかし収益化やSEOという観点では必ずしもメリットだけという訳ではありません。

まず、収益化という意味では先日の記事【元2chまとめ管理人が考える「バイラルメディアが成功しない3つの理由」】でも紹介しましたように純広告を入れられるような一部の大手を除き、Googleアドセンスを貼るのが一番手軽で楽な方法です。しかし、Googleアドセンスは規約が厳しく、「お○ぱい」などの伏せ字レベルの卑猥なワードやグラビアアイドルの水着写真を貼ることですら剥がされてしまいます。

そうなると、Googleアドセンス以外のクリック広告を入れることになりますが、その場合は単価がガクッと落ちてしまいます。 結局、ちょいエロ記事によって手軽にアクセスアップが出来ますが、収益化させるためには単価が下がった分、更新量を増やしてPVを増加させなければならなくなってしまいます。

また、ちょいエロ記事の場合は専門性のある記事をまとめた場合に比べ、アンテナサイトを経由してタイトルに釣られてきた単に「エロい画像を見たいだけ」という訪問者が多いので広告のクリック率も低く、さらなる労力が必要になります。

そして、ただエロい画像だけを羅列している記事はSEOの観点からも良くありません。ちょいエロ記事はコメントもつき辛いので検索エンジンから独自性がないと見なされ、またTwitterやFacebookなどでもシェアされにくいので、外部評価を高めることも難しくなります。

そうしたことを繰り返していると最悪の場合は低品質サイトと見なされ検索エンジンから除外されることも…。 先ほどアンテナサイトを経由してアクセストレードをすると書きましたが、アンテナサイトはこちらが送るアクセスが多いほど優先して記事を取り上げてくれて、それによってアクセスを返してくれます。そこでSEOが必要になってきます。SEOによる検索流入がないとアンテナサイトに十分なアクセスを送ることが出来ず、結果としてアンテナサイトからの訪問者を増やすことも出来なくなります。

このように、ちょいエロ記事は2chまとめサイト管理人にとって手っ取り早いアクセスアップの方法になる訳ですが、一方でひたすら更新量を増やしてアンテナサイトにアクセスを送り続けなければならないという悪循環に陥ってしまいます。

普段から2chまとめサイトを見ているという方も多いと思いますが、実際にちょいエロ記事をみかけたらアンテナサイトを経由しているか、同様の記事の更新量は多いか、など是非チェックしてみてください。少しだけ2chまとめサイトの裏側を垣間見ることが出来ると思います。

※こちらの記事は1年ほど前に別のブログ(現在は削除済み)で書いたものを書き直しました。

元2chまとめ管理人が考える「バイラルメディアが成功しない3つの理由」

最近色んなベンチャー企業がバイラルメディアの運営に乗り出しているようで、Facebookでよくフィードが流れているのを見る方も多いのではないでしょうか。現在では他社との差別化を図ろうと「ペット」や「サッカー」などニッチな分野に特化したバイラルメディアまであるようです。私は以前2chまとめサイトを運営していた訳ですが、その立場から考えると正直日本のバイラルメディアは上手くいかないと思います。それではその理由をまとめていきます。

その①参入障壁の低さ故のレッドオーシャン

バイラルメディアは2chまとめサイトと同じく、その参入障壁の低さから今やレッドオーシャンと化しています。レッドオーシャンになると、とにかく更新量で勝負するしかなくなり、現場は疲弊するでしょう。

分かりやすく例えるとハムスターのカラカラを半永久的にひたすら回し続けることになります。ですので、上記に述べたようなニッチ分野に特化して差別化を図っていかないと生き残りは厳しいと言えるでしょう。

その②マネタイズの難しさ

2chまとめサイトの収益例を紹介します。2chまとめサイトは主に次の3タイプで収益を上げています。「Googleアドセンスなどのクリック広告」「Amazonや楽天などのアフィリエイト」「金額が固定されたバナー広告(純広告)」。

このうち、1バナー月額10万円などの純広告はよっぽどの大手クラスにならないと厳しく、2chまとめサイト管理人同士でも純広告を入れることは大手クラスへの仲間入りとも言われています。 1クリックあたり30~40円もするGoogleアドセンスを導入出来れば良いですが、多くの2chまとめサイトはエロ系コンテンツを扱っているためGoogleアドセンス以外の1クリック10円程度のクリック広告を入れているところがほとんどです。

クリック広告の入れ方にもよりますが、通常、2chまとめサイトのクリック率は0.2%行けば良い方なので、Googleアドセンス以外のクリック広告(クリック率0.2%・単価10円と仮定)で1日1万円を稼ごうと思ったら、500,000PVが必要になる訳です。1日500,000PVといえば、皆さんが一度は名前を聞いたことのあるような有名2chまとめサイトクラスです。

バイラルメディアでは恐らくGoogleアドセンスを入れているところが多いと予想されるため、1日1万円を稼ぐにはそう難しくないと思いますが、企業で運営するとなると相当マネタイズは厳しいと思います。

また、バイラルメディアはFacebookに広告を出し、シェアやいいね!で情報を拡散させているところが多く見受けられますが、そのためのFacebook広告費を考えると、むしろ収支はマイナスになってしまうと思います。

実際、サイバーエージェントが運営していたいくつかのバイラルメディアがサービスを終了することを発表したり更新停止になっていますが、バイラルメディアを取り巻く現実は厳しいようです。

その③独自性のなさ

2chまとめサイトがまさにそうですが、今や「ハム速」「痛いニュース」「はちま寄稿」などの最大手を除きニッチな分野に特化したり差別化していかないと生き残れない時代です。むしろ「ハム速→癒しの動物画像紹介」「はちま寄稿→どこよりも早く最新ニュースをまとめて紹介」など、最大手ですら現況に慢心せず危機感を覚え、差別化しようと試行錯誤しています。

どちらも費用をかけずにソーシャルメディアを駆使しバズを起こしやすい工夫がされています。そこでバイラルメディアを見ていくと、正直どれも「らばQ」や「カラパイア」「NAVERまとめ」などで過去に紹介されたネタの2番煎じになっており、バイラルメディア同士でバズったネタをパクり合ったりしてサイトの独自性がありません。

そうなると、他に似たようなことを取り上げるサイトが出てきた際にそちらにファンが移ってしまう可能性があることは容易に想像出来ます。

これからのバイラルメディアが生き残る道

上記のように、これからのバイラルメディアが生き残るためには「独自性」が必要だと私は思っています。「そのサイトでしか知れない情報」を扱うことでサイトの価値が高まり、固定ファンが付くのだと思います。そのためには他のサイトでも見れるネタ・動画を貼るだけのようなパクられやすいネタを扱っていてはダメです。

また、今後は「なんだこれ全然収益化できねーじゃん」ということで撤退していくバイラルメディアが相次ぐと思います。2chまとめサイトを例にとると、稼げるバイラルメディアでも純広告+クリック広告+アフィリエイトなどで売上100万~300万位が限界ではないかと見積もっています。ですので、あくまで主幹事業ではなくサブ事業として2~3人のチームを作って運営していくのが良いのではないかと思います。

と、色々と書き連ねましたが、2chまとめサイト運営に関わっていた経験から言うと、「そんな簡単にマネタイズ出来ないよー」ということです。

スタートアップのベンチャー企業の中には「手っ取り早くお金を稼げそうだし、うちもバイラルメディアに参入しようかな」と思っている方もいると思いますが、正直オススメ出来ませんということをお伝えしておきます。

※こちらの記事は1年ほど前に別のブログ(現在は削除済み)で書いたものを書き直しました。