何故2chまとめサイトは「ちょいエロ」に走るのか

2chまとめサイトを見ていると男性なら思わずクリックしてしまうようなエロ系タイトルの記事を目にすることも多いと思います。そうした「ちょいエロ」記事は2chまとめサイト運営者にとっては麻薬のようなものなんです。それでは以下でその理由を説明していきます。

その①:2chまとめサイトの現実

今や2chまとめサイトはその作成の手軽さから膨大な数が存在します。それ故、古参でもない限り、ニッチなジャンルに特化したり差別化をしていかないと全くといっていいほどアクセスが伸ばせません。2chにある「零細2chコピペブログ管理人スレ」ではこんなテンプレも存在します。

■一日の平均PV
・100万~…最大手
・50万~…大手
・30万~50万…準大手
・10万~30万…中堅
・5万~10万…中小
-- このスレのボーダーライン --
・1万~5万…弱小
・5000~1万…準零細
・1000~5000…零細

ほとんどの管理人はこの下層帯、デイリーPV1万を超えることすら出来ずに苦しんでいます。結果として「全然アクセス増えねーじゃん」とサイト運営を辞めてしまう人が多いのも事実です。「このスレのボーダーライン」とあるように、零細管理人スレですらデイリーPV5万を超えられない人は相手にされません。 なかなかアクセスアップが出来ない管理人はサイトを差別化していくか、更新量を増やすか、など色々試行錯誤する訳ですが、そんな中手っ取り早いアクセスアップの手段として挙げられるのが「ちょいエロ」な記事です。

その②:ちょいエロは手っ取り早いアクセスアップ方法

さて、具体例を挙げていきます。皆さんはパッと見たときにどちらのクリック率が高いと思いますか?

・JPX日経400銘柄替えでソニー除外、パナソニックなど新規採用
・これよりエッチなケツ画像なんて存在すんの?wwwwwwww

どちらも実際に2chまとめサイトが取り上げていたネタですが、おそらく後者の方が圧倒的にクリック率が高いでしょう。こういったエロ系画像まとめ記事や下世話な芸能ニュースまとめ記事などは非常にクリック率が高いです。

こういった記事をアンテナサイトと呼ばれる記事紹介サイトを経由して他の2chまとめサイトのRSSフィードに載ることで一気にアクセスがアップします。アンテナサイトもクリック率が高い記事を扱うことで自サイトへのアクセスがアップするので、こういった引きが強いちょいエロ記事を優先的に紹介してくれます。

このちょいエロ+アンテナサイトを使ったアクセストレード(通称アクトレ)が手っ取り早いアクセスアップのコツなのです。上の画像はちょいエロ系に走った某2chまとめサイトのものですが、こうやってアンテナサイトを経由してクリック率が高そうな記事を相互RSSに載せ、お互いにアクセスを送り合うのがアクトレです。まとめサイトの多くはこうやってアクセスを増やしているのです。 ただ、このちょいエロ記事、アクセスアップには一役買ってくれますがデメリットも…。

その③:ちょいエロ記事に潜む爆弾

ここまで読むと「なんだ、手軽にアクセスアップ出来るならちょいエロいいじゃん」と思われる方がいるかもしれません。しかし収益化やSEOという観点では必ずしもメリットだけという訳ではありません。

まず、収益化という意味では先日の記事【元2chまとめ管理人が考える「バイラルメディアが成功しない3つの理由」】でも紹介しましたように純広告を入れられるような一部の大手を除き、Googleアドセンスを貼るのが一番手軽で楽な方法です。しかし、Googleアドセンスは規約が厳しく、「お○ぱい」などの伏せ字レベルの卑猥なワードやグラビアアイドルの水着写真を貼ることですら剥がされてしまいます。

そうなると、Googleアドセンス以外のクリック広告を入れることになりますが、その場合は単価がガクッと落ちてしまいます。 結局、ちょいエロ記事によって手軽にアクセスアップが出来ますが、収益化させるためには単価が下がった分、更新量を増やしてPVを増加させなければならなくなってしまいます。

また、ちょいエロ記事の場合は専門性のある記事をまとめた場合に比べ、アンテナサイトを経由してタイトルに釣られてきた単に「エロい画像を見たいだけ」という訪問者が多いので広告のクリック率も低く、さらなる労力が必要になります。

そして、ただエロい画像だけを羅列している記事はSEOの観点からも良くありません。ちょいエロ記事はコメントもつき辛いので検索エンジンから独自性がないと見なされ、またTwitterやFacebookなどでもシェアされにくいので、外部評価を高めることも難しくなります。

そうしたことを繰り返していると最悪の場合は低品質サイトと見なされ検索エンジンから除外されることも…。 先ほどアンテナサイトを経由してアクセストレードをすると書きましたが、アンテナサイトはこちらが送るアクセスが多いほど優先して記事を取り上げてくれて、それによってアクセスを返してくれます。そこでSEOが必要になってきます。SEOによる検索流入がないとアンテナサイトに十分なアクセスを送ることが出来ず、結果としてアンテナサイトからの訪問者を増やすことも出来なくなります。

このように、ちょいエロ記事は2chまとめサイト管理人にとって手っ取り早いアクセスアップの方法になる訳ですが、一方でひたすら更新量を増やしてアンテナサイトにアクセスを送り続けなければならないという悪循環に陥ってしまいます。

普段から2chまとめサイトを見ているという方も多いと思いますが、実際にちょいエロ記事をみかけたらアンテナサイトを経由しているか、同様の記事の更新量は多いか、など是非チェックしてみてください。少しだけ2chまとめサイトの裏側を垣間見ることが出来ると思います。

※こちらの記事は1年ほど前に別のブログ(現在は削除済み)で書いたものを書き直しました。

元2chまとめ管理人が考える「バイラルメディアが成功しない3つの理由」

最近色んなベンチャー企業がバイラルメディアの運営に乗り出しているようで、Facebookでよくフィードが流れているのを見る方も多いのではないでしょうか。現在では他社との差別化を図ろうと「ペット」や「サッカー」などニッチな分野に特化したバイラルメディアまであるようです。私は以前2chまとめサイトを運営していた訳ですが、その立場から考えると正直日本のバイラルメディアは上手くいかないと思います。それではその理由をまとめていきます。

その①参入障壁の低さ故のレッドオーシャン

バイラルメディアは2chまとめサイトと同じく、その参入障壁の低さから今やレッドオーシャンと化しています。レッドオーシャンになると、とにかく更新量で勝負するしかなくなり、現場は疲弊するでしょう。

分かりやすく例えるとハムスターのカラカラを半永久的にひたすら回し続けることになります。ですので、上記に述べたようなニッチ分野に特化して差別化を図っていかないと生き残りは厳しいと言えるでしょう。

その②マネタイズの難しさ

2chまとめサイトの収益例を紹介します。2chまとめサイトは主に次の3タイプで収益を上げています。「Googleアドセンスなどのクリック広告」「Amazonや楽天などのアフィリエイト」「金額が固定されたバナー広告(純広告)」。

このうち、1バナー月額10万円などの純広告はよっぽどの大手クラスにならないと厳しく、2chまとめサイト管理人同士でも純広告を入れることは大手クラスへの仲間入りとも言われています。 1クリックあたり30~40円もするGoogleアドセンスを導入出来れば良いですが、多くの2chまとめサイトはエロ系コンテンツを扱っているためGoogleアドセンス以外の1クリック10円程度のクリック広告を入れているところがほとんどです。

クリック広告の入れ方にもよりますが、通常、2chまとめサイトのクリック率は0.2%行けば良い方なので、Googleアドセンス以外のクリック広告(クリック率0.2%・単価10円と仮定)で1日1万円を稼ごうと思ったら、500,000PVが必要になる訳です。1日500,000PVといえば、皆さんが一度は名前を聞いたことのあるような有名2chまとめサイトクラスです。

バイラルメディアでは恐らくGoogleアドセンスを入れているところが多いと予想されるため、1日1万円を稼ぐにはそう難しくないと思いますが、企業で運営するとなると相当マネタイズは厳しいと思います。

また、バイラルメディアはFacebookに広告を出し、シェアやいいね!で情報を拡散させているところが多く見受けられますが、そのためのFacebook広告費を考えると、むしろ収支はマイナスになってしまうと思います。

実際、サイバーエージェントが運営していたいくつかのバイラルメディアがサービスを終了することを発表したり更新停止になっていますが、バイラルメディアを取り巻く現実は厳しいようです。

その③独自性のなさ

2chまとめサイトがまさにそうですが、今や「ハム速」「痛いニュース」「はちま寄稿」などの最大手を除きニッチな分野に特化したり差別化していかないと生き残れない時代です。むしろ「ハム速→癒しの動物画像紹介」「はちま寄稿→どこよりも早く最新ニュースをまとめて紹介」など、最大手ですら現況に慢心せず危機感を覚え、差別化しようと試行錯誤しています。

どちらも費用をかけずにソーシャルメディアを駆使しバズを起こしやすい工夫がされています。そこでバイラルメディアを見ていくと、正直どれも「らばQ」や「カラパイア」「NAVERまとめ」などで過去に紹介されたネタの2番煎じになっており、バイラルメディア同士でバズったネタをパクり合ったりしてサイトの独自性がありません。

そうなると、他に似たようなことを取り上げるサイトが出てきた際にそちらにファンが移ってしまう可能性があることは容易に想像出来ます。

これからのバイラルメディアが生き残る道

上記のように、これからのバイラルメディアが生き残るためには「独自性」が必要だと私は思っています。「そのサイトでしか知れない情報」を扱うことでサイトの価値が高まり、固定ファンが付くのだと思います。そのためには他のサイトでも見れるネタ・動画を貼るだけのようなパクられやすいネタを扱っていてはダメです。

また、今後は「なんだこれ全然収益化できねーじゃん」ということで撤退していくバイラルメディアが相次ぐと思います。2chまとめサイトを例にとると、稼げるバイラルメディアでも純広告+クリック広告+アフィリエイトなどで売上100万~300万位が限界ではないかと見積もっています。ですので、あくまで主幹事業ではなくサブ事業として2~3人のチームを作って運営していくのが良いのではないかと思います。

と、色々と書き連ねましたが、2chまとめサイト運営に関わっていた経験から言うと、「そんな簡単にマネタイズ出来ないよー」ということです。

スタートアップのベンチャー企業の中には「手っ取り早くお金を稼げそうだし、うちもバイラルメディアに参入しようかな」と思っている方もいると思いますが、正直オススメ出来ませんということをお伝えしておきます。

※こちらの記事は1年ほど前に別のブログ(現在は削除済み)で書いたものを書き直しました。